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2006年5月17日 (水)

思い出の成分 ――交通博物館閉館によせて その3

  “まめはかせ”たちに負けてなどいない、頼もしきおじさまがた(失礼!)もご紹介。

  先日お話した閉館の日の“「記念弁当」並び”。「お一人2個まで~」とか、「お並びの方全部に行き渡らないことも~」といった時折流れる館内放送に注意しつつ何十分かの間並んでおりました。

もちろん、お弁当関係以外の放送も流れます。たとえば、

  「1階の運転シミュレーションのコーナーは、ただいま1時間半ほどの待ち時間となっております。…」など。

(お~お。さっきは「1時間ほどの待ち時間」って言ってたのに。どんどん混んできてるんだあ。)

そこではっと思いつきました。この館内放送を録ったらいい思い出になるんじゃないかなと。今日の日までに写真もビデオも充分に撮ってきてはありますが、おそらく「音」にまでは気が回っていなかったはずです。

早速ビデオ係りだった連れに提案し、館内放送の入る合図の

    ♪ピンポンパンポ~ン♪

が鳴ったらすぐさまビデオをスタートさせることに。録音機器を持ってきてはいなかったので、ビデオで代用です。写す画像そのものは、展示物でも天井でも人の波でも、それこそなんでもいいのです。

  そんなこんなで並んでいる間も大忙し。めでたくお弁当をゲットできたあとは、今度は領収書発行の列に。なんでも、「5月14日」の日付の入るものは要チェックだそうです。

さすがにちょっと疲れて、私は領収書の列からも行き交う人の波からも離れ、脇のテーブルとイスの並んでいるスペースに身を寄せました。ふう。

まあ、領収書を書いてもらう順番がきたあたりで写真でも撮ってあげようかと、カメラを持ってスタンバッていた時、すぐそばのテーブルにお集まりのおじさま3人組と目が合いました。

3人揃って真剣な顔で腕を斜め45度に上げて構えておいでです。そして、しばらくして同時におろされる。…その手に持っておいでのものはなんだろう。。。?

ちらちらと観察?するうち、おじさまがたの腕を高くかかげるタイミングがわかりました。もしかすると…

 「あのう…もしかして、放送を録っておいでなのですか?」

思い切って尋ねてみました。

 「そうなんだよ。昨日思いついてね、今日は録音のできる機械を持ってきたんだよ。」

 「わあ~。昨日も見えたんですか。」

 「そうだよ。それで、『明日は音も録ろう!』ってことになってさ。」

確かに、みなさん思い思いの録音機器を手にされておいでです。ちょっと懐かしい感じのカセットテープ・レコーダーのかたも。

 「人間には五感ってものがあるだろう。その五感それぞれから吸収したものがすべて思い出になるんだよ。ビデオやカメラに夢中になって、どうしてもついつい『音』を忘れがちだけどね、今日という日の大事な記録だよ。」

なるほど!さっき私が思いついたのは正しかったのね!と、その権威らしきおじさまがたのお言葉で確信を持ち、嬉しくなりました。

 「なんでも残しておきなさい。たとえば、お弁当買ったの?そうしたら『領収書』。これは絶対もらうんだよ。」

 「は、はい、今並んでます。私は写真でも撮ってあげよっかなって思って…」

 「おーおー、ではここに上がってとりなさい。」

と、ベンチの上にあった皆さんのお荷物を寄せてくださる。

 「いいです、大丈夫です、ここから撮れますから。」

 「そんな遠慮しないで。高い位置から撮ったほうがよく見♪ピンポンパンポ~ン♪

しゅたっ!!
\(  ̄- ̄)\( ̄- ̄)( ̄- ̄ )/

その♪ピンポンパンポ~ン♪を聞くが早いか、荷物を寄せる手を止め、すかさずあのポーズです!いやあ~、すばらしい~w( ゜ ▽ ゜)w

  その放送は、「お弁当販売間もなく終了」の旨でした。「さあ、次はいよいよ『販売は終了いたしました。』が来るぞ!」と、おじさまがたは気合を入れておいででした。

   

  確かに、思い出は「像」ばかりではありませんよね。

それは、音だったり、声だったり、においだったり、香りだったり…

ぬくもり…やわらかさ…美味しさ…まずさ…

そんな私たちの吸収しうるすべてのものから成り立っているのでしょう。

  おじさまがたのお言葉は含蓄に富んではいたのですが、、、ですが、、、

あの「斜め45度」のポーズのカガクテキコンキョは、、、謎です。

    

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コメント

 恭子さんへ

  おじゃましまっす(m- -)mヨイショ

  おじさま達の姿を想像して、ニコニコしながら読ませて頂きました。

  「空間」と「音」の関係って、そこにおける条件(この場合、2006/5/14という日)や感情の持ちよう(交通博物館最期の日に対するサウダージ)で、色々変わってきますよね。

  ちょうど自己のブログで、コメントを下さった方への返信内で、ボクの頭ン中でここの話とリンクしたので、トラバ貼らせて頂きました。
  宜しくですぅm(__*)m

投稿: にいたん | 2006年5月29日 (月) 12:46

にいたんへ

「空間」と「音」ですかあ。。。
たしかにあの閉館の日の館内や館の周りの雰囲気は特別でした。

「音」といえば、そうそう。6時になっても閉館時間を知らせる放送が流れませんでした。
そんな、あるはずの「音」がなかったことすら思い出です。

「空間」と「音」についてのお話、今にいたんのところで読ませていただいてきました。
http://bassniioka.blog.ocn.ne.jp/listeningroom/2006/05/post_3ea6.html#comment-3240908
(どうもこのコメントからリンクが行かないのがかなしい~(涙))
コメントの中にしまっておくのがもったいないようなお話ですね。
そんな素敵なお話とこちらをリンクさせてくださってどうもありがとうございます(*^人^*)


投稿: 恭子 | 2006年5月29日 (月) 13:43

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