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2005年12月16日 (金)

満月納め

2005_saigo_no_mangetsu   「月」はこのブログにも幾度となく登場し、その姿を愛でたり、文学作品の情趣と重ね合わせて味わってみたりなどしてきましたが、この月の光は、ただただ美しいものとされるばかりではありません。

  菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)の記した「更級日記(さらしなにっき)」の中で、作者の姉の死を綴った章段では、月の光は“不吉なもの”として登場します。

  作者の姉が亡くなり、親たちが母屋でとりこんでいる最中、作者は離れで姉の遺した小さな子どもたちを寝かしつけようとします。

そのとき、どこからか洩れてきた月の光が子どもたちの顔に当たります。

作者は慌てて、袖で子どもたちの顔を覆い、自分のそばに引き寄せます…。

姉が元気な頃には、おそらく姉妹で美しい月を仰ぎ、歌など詠み交わしたこともあったことでしょうが、姉を亡くしたその晩の作者には、その光は“不吉なもの”として映ったのでした…。

  

  11月の半ばを過ぎたくらいから、知人からの喪中を知らせるはがきが届きはじめました。

  暮れには、今年の点鬼簿も新聞に載ることでしょう。

  

―― この世を去られたかたがたに思いを馳せる、
    今年最後の満月の夜です。

     

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